まずは「相談支援」を受けましょう1,2)

神経発達症の人やご家族・周囲の人は、福祉サービスを受けることができます。

障害者の自立や社会参加支援のために必要な基本施策(主なもの)

1-4-2-8_福祉機関を利用する_01_必要な基本施策

障害者基本法(昭和四十五年五月二十一日法律第八十四号). 最終改正:平成二十五年六月二十六日法律第六十五号

若林美佳監修. 図解で早わかり 共生型サービスにも対応! 介護保険・障害者福祉のしくみ. 東京, 三修社, 2019, pp.140-141.より作成

しかし、神経発達症に限らず、別の病気や障害での困りごとに対するサービスもありますので、適切なサービスを探し出すことだけでも大変です。

神経発達症の人やそのご家族・周囲の人からの相談に応じて、市区町村が支援の適切な情報を提供してくれます。

神経発達症とわかったら、まずは市区町村の福祉関連の課に相談してみましょう。

1-4-2-8_福祉機関を利用する_02_相談してみましょう

主なサービス3,4)

ライフステージに応じた切れ目のないサービスが受けられるよう、法制度が整備されています。

ここでは主なサービスを紹介します。

子ども・大人共通

サービスによっては、障害者手帳の取得が必要なものがあります。

また、未就学児~高校の期間は「児童発達支援」、「放課後等デイサービス」の支援が受けられますが(詳しくは下記)、その際は市区町村から「通所受給者証」を交付してもらいます。

受給者証の交付には、相談から通所施設の見学、申請書提出、面接調査などのプロセスがあります。

サービスを受けるための申請は手間のかかるものですが、多くの場合、申請のための作業から支援してもらえますので、まずは市区町村の福祉関連の課に相談してみましょう。

未就学児

 

主なサービス名:具体例

困りごとへの支援

● 保育所等訪問支援:担当者が保育所等を訪問し、集団生活に適応できるように支援する

● 児童発達支援:生活の中での基本動作の指導、集団生活での適応訓練などを行う

小学校

 

主なサービス名:具体例

困りごとへの支援

● 放課後等デイサービス:授業終了後や休校日に、学校とは別の施設で生活能力向上のための訓練や社会との交流促進などを支援する

教育的支援

● 特別支援学級等:詳しくはこちら

中学校~高校

 

主なサービス名:具体例

困りごとへの支援

● 放課後等デイサービス

上記「小学校-困りごとへの支援」参照

教育的支援

● 特別支援学級等:詳しくはこちら

就労支援

● 就労移行支援:就労を希望する人にスキルなどを教える

● 就労継続支援:一般企業への就労が困難な人に就労機会の提供とともに能力アップの訓練などを行う。なお、就労機会の提供では職場と雇用関係のあるA型・雇用関係のないB型がある

● 就労定着支援:就労に伴って生じるさまざまな問題に対する支援を行う

※卒業後から利用することができる

※福祉と特別支援教育にあたる先生等が連携して就労支援にあたることもある

大人(原則として18歳以降)

サービスを受けるには市区町村から「障害福祉サービス受給者証」を交付してもらいます。

申請書提出、利用意向や状況の聞き取り、支援事業所による支援計画作成などのプロセスがあります。

 

主なサービス名:具体例

困りごとへの支援

● 自立訓練

 - 機能訓練:身体機能の維持、向上を目指す

 - 生活訓練:生活能力の維持、向上を目指す

就労支援

● 就労移行支援

● 就労継続支援

● 就労定着支援 など

上記「中学校~高校-就労支援」参照

生活支援・権利擁護

● 地域移行支援:住居の確保など

● 地域定着支援:特性に起因して生じた緊急事態時の相談、事業所への同行支援等

● 成年後見制度:判断能力が不十分な人への支援

● 日常生活自立支援事業:福祉サービス、金銭管理の援助を行う

教育的支援についてはこちら、就労支援についてはこちらもご参照ください。

大人(高齢者)

原則として介護保険(介護サービス)が優先されます。ただし、障害福祉サービスにあって介護サービスにないものは、障害福祉サービスとして受けられます。

各自治体によって対応が異なりますので、市区町村の福祉関連の課などで質問・確認してみましょう。

* 40~64歳でも、16種類の特定疾病により「介護や支援が必要な状態」と認定を受けた人は、介護保険を受けられます。 ただし、神経発達症は16種類に含まれていません。

福祉は、よりよい生活の助けになる存在

福祉は、もともと「幸福」という意味です。

皆が共生できる社会の実現のために福祉サービスがあります。

困りごと・生きにくさを軽くして、自分に合った生活を送るために、上手に活用してください。

関連ページへのリンク


1) 障害者基本法(昭和四十五年五月二十一日法律第八十四号). 最終改正:平成二十五年六月二十六日法律第六十五号.

2) 若林美佳監修. 図解で早わかり 共生型サービスにも対応! 介護保険・障害者福祉のしくみ. 東京, 三修社, 2019, pp.140-141, 222-223.

3) 小林真理子, 志賀利一. 子ども・大人の発達障害 診療ハンドブック“年代別にみる症例と発達障害データ集”(内山登紀夫編集、宇野洋太ほか編集協力). 東京, 中山書店, 2018, pp.200-214.

4) 石橋裕子ほか編著. よくわかる!教職エクササイズ⑤ 特別支援教育(森田健宏ほか監修). 京都, ミネルヴァ書房, 2019, pp.156-157.


監修(五十音順)

医療法人南風会万葉クリニック 子どものこころセンター絆 センター長 飯田 順三 先生

国立大学法人信州大学医学部 子どものこころの発達医学教室 教授 本田 秀夫 先生

社会医療法人啓仁会堺咲花病院 副院長 村上 佳津美 先生