● 有病率は学童期に約7.2%、成人期に約2.5%とされるが、診断がつくかどうかは文化や環境によって大きく左右されるため、

 報告される有病率はさまざまである1)

● 男性のほうがやや多い(およそ男性2:女性1の比率)1)

    なお、成人では性差がなくなる2)

● 12歳以前から特性が出ており、幼児期(1〜6歳)にはすでに特性が出ていることもある3)

● 睡眠障害を伴うことが多い4)

ADHD(注意欠如多動症)の特性は、「不注意」と「多動-衝動性」です。

特性:不注意

● 集中することが苦手
● 他の刺激で注意がそれる
● 忘れっぽい(予定や約束を忘れてしまう、ケアレスミスが多い)  など
ADHD:子どもの特性:不注意

特性:多動-衝動性

● 落ち着きがなく、活発に動き回らずにはいられない

● 話し始めるとなかなか止まらず、話し続ける  など
ADHD:子どもの特性:多動性
男性は児童期の多動-衝動性が目立ちますが成長に伴い落ち着き、成人期には診断がつかなくなることも多いです。一方、女性は児童期の不注意は目立たず、成人期に顕在化してくることがあります。

特性:不注意

● 物事を順序立てて考えるのが難しく、仕事での段取りをつけることが難しい

● 仕事でのミスや準備不足を周りに指摘される
● 予定や約束を忘れてしまいがち  など
ADHD:大人の特性:不注意

特性:多動-衝動性

● 他人が話しているところに割り込んでしまう
● 順番を待たねばならない環境を避ける  など
ほかにもさまざまな特性・困りごとがあります。
子どもと大人のADHD 特性の概要

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【参考】

【参考】

1) 尾崎紀夫・三村將(監修).水野雅文・村井俊哉・明智龍男(編集).標準精神医学 第9版.東京,医学書院,2024,pp.261-262.

2) Moffitt TE, et al. American Journal of Psychiatry, 2015, 172(10), 967-977.

3) ADHDの診断・治療指針に関する研究会、齊藤万比古 ・飯田順三 編.  注意欠如・多動症-ADHD-の診断・治療ガイドライン 第5版. 東京, じほう, 2022, p.(7), 8-9, 11-12.

4) 中川栄二. 最新医学別冊 診断と治療のABC130 発達障害(神尾陽子企画). 大阪, 最新医学社, 2018,  pp.132-133. 


監修(五十音順)

医療法人南風会万葉クリニック 子どものこころセンター絆 センター長 飯田 順三 先生

国立大学法人信州大学医学部 子どものこころの発達医学教室 教授 本田 秀夫 先生

社会医療法人啓仁会堺咲花病院 副院長 村上 佳津美 先生

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