神経発達症はASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如・多動症)、学習障害以外にもあります。いくつかを紹介します。

知的能力障害※, 1)

  • 知的能力障害については医学的には神経発達症の範囲に入りますが、法律では発達障害者支援法とは別に知的障害者福祉法の対象になっています。

知的能力障害は、知的能力が平均より有意に低く、社会生活への適応が難しいことが特徴です。

この特性は大人になる前から見られます。

以前は、知能指数(IQ)の数値がおおむね70未満が基準とされ、重症度もIQで示されました。

しかし、IQが社会生活の困難度とつながらないこともあるため、いまはIQだけで判断するのではなく、生活に困りごとがあれば総合的に知的能力障害と診断されます。

小児期発症流暢症(吃音)

小児期発症流暢症(吃音)は、知的機能とは関係なく、コミュニケーションの際に必要な機能に何らかの問題を抱えることで生活の困りごとの原因になっている状態です。
2~4歳で発症しやすいとされています2)

【小児期発症流暢症(吃音)の3つの特徴的な話し方】

小児期発症流暢症(吃音)
厚生労働省.  吃音、チック症、読み書き障害、不器用の特性に気づく「チェックリスト」活用マニュアル, 平成30(2018)年度障害者総合福祉推進事業を参考に作成

発達性協調運動症1)

生活の中で、誰もが常に体のどこかを動かしたり止めたりしていますが、手足や指などが一緒に動いて(協調して)あらゆる運動ができるようになっています。
しかし、発達性協調運動症では手足などが協調して動いてくれません。
そのため、生活や学業で困りごとが出てきてしまいます。

【発達性協調運動症の例】

● ボタンがうまくはめられない

● 靴ひもがうまく結べない
● (鉛筆が上手に扱えないため)文字が上手く書けない
● 歩き方/走り方がぎこちなく、スピードも遅い
● ボールがうまく投げられない

チック症

チック症には、運動チックと音声チックがあり、それぞれ単純チックと複雑チックに分類されます2)

これらの関係性は下の表をご覧ください。
運動チックと音声チックの両方が1年以上継続している場合、トゥレット症と呼ばれます。

【チック症の分類】

チック症
厚生労働省.  吃音、チック症、読み書き障害、不器用の特性に気づく「チェックリスト」活用マニュアル, 平成30(2018)年度障害者総合福祉推進事業

関連ページへのリンク


1) 本田秀夫.  標準精神医学 第7版(尾崎紀夫ほか編). 東京, 医学書院, 2018, p.375, 388.

2) 厚生労働省.  吃音、チック症、読み書き障害、不器用の特性に気づく「チェックリスト」活用マニュアル, 平成30(2018)年度障害者総合福祉推進事業


監修(五十音順)

医療法人南風会万葉クリニック 子どものこころセンター絆 センター長 飯田 順三 先生

国立大学法人信州大学医学部 子どものこころの発達医学教室 教授 本田 秀夫 先生

社会医療法人啓仁会堺咲花病院 副院長 村上 佳津美 先生

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