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ここではASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如・多動症)の基本的な治療、LD(学習障害)の基本的な指導の流れと、神経発達症(発達障害)の併存や二次障害の症状があったときの治療について紹介します。
治療は大きく「心理社会的治療・環境調整」と「薬物療法」に分けられます。
● ソーシャルスキルトレーニング(SST:社会生活訓練)
・対象:本人
・概要:自らの特性を知り社会生活に適応するためのスキルを学ぶ2,4)
・具体例:複数の人で集まって生活や仕事など、よくある場面のロールプレイをする4)
● ペアレント・トレーニング(PT)2,3)
・対象:神経発達症(発達障害)の子どもの親
・概要:子どもの特性を知り、接し方を学ぶ
・具体例:好ましい行動→ほめる、好ましくない行動→無視、危険な行動→叱るなど
詳しくはこちらをご参照ください。
※そのほかにも、それぞれの神経発達症(発達障害)に特化した方法〔ABA(応用行動分析学)、TEACCH(Treatment and Education of Autistic and related Communication handicapped Children)など〕6)があります。
LD(学習障害)では、苦手なものを検査やテストで評価したうえで、苦手さの特徴に合わせた指導をしていきます。以下に具体例を示します。
【参考】
1) 海老島健, 石飛信 ほか. 児童・青年期精神疾患の薬物治療ガイドライン(中村和彦編). 東京, じほう, 2018, pp.50-78, 83.
2) ADHDの診断・治療指針に関する研究会、齊藤万比古編集. 注意欠如・多動症-ADHD-の診断・治療ガイドライン 第4版. 東京, じほう, 2016, pp.(22-23), (27-32), 230-233, 266-271, 275-279.
3) 本田秀夫. 標準精神医学 第7版(尾崎紀夫ほか編). 東京, 医学書院, 2018, p.382.
4) 平岩幹男. データで読み解く発達障害(平岩幹男総編集, 岡明ほか専門編集). 東京, 中山書店, 2016, pp.198-199.
5) 日本発達障害ネットワーク JDDnet作成, 日本ペアレント・トレーニング研究会協力. ペアレント・トレーニング実践ガイドブック(令和元年度障害者総合福祉推進事業). 2020, pp.12-13.
6) 平岩幹男, 松田幸都枝, 関あゆみ. データで読み解く発達障害(平岩幹男総編集, 岡明ほか専門編集). 東京, 中山書店, 2016, pp.204-205, 208-209, 226-232.
7) 若宮英司. 特異的発達障害 診断・治療のための実践ガイドライン-わかりやすい診断手順と支援の実際- 特異的発達障害の臨床診断と治療指針作成に関する研究チーム編集(編集代表 稲垣真澄). 東京, 診断と治療社, 2010. p.133.
8) 樋端佑樹ほか. 精神医学, 2016, 58(7), 623.
9) 根來秀樹. 児童青年精神医学とその近接領域, 2019, 60(1), 98.
監修(五十音順)
医療法人南風会万葉クリニック 子どものこころセンター絆 センター長 飯田 順三 先生
国立大学法人信州大学医学部 子どものこころの発達医学教室 教授 本田 秀夫 先生
社会医療法人啓仁会堺咲花病院 副院長 村上 佳津美 先生