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図表・イメージ:看護師

アイコン:不眠症の治療方法を知る不眠症の治療方法を知る

不眠の悩み相談室

不眠症治療に関するお悩みにお答えします
監修内村直尚先生(久留米大学 学長)

不眠症を専門に診る診療科

図表・イメージ:患者さん
不眠症では、どの診療科に相談すればよいのですか?
睡眠は脳の働きと関係するので、専門の診療科は精神科や心療内科になります。
なお、日本睡眠学会のホームページに睡眠専門医(日本睡眠学会専門医)のリストが掲載されています。
ただし、近くに専門医がいないこともあると思います。
そのときは、かかりつけの内科医に相談してみるのもよいでしょう。
相談するだけで「眠れない」という不安や恐怖心が和らぐことがあります。1)
図表・イメージ:医師
図表・イメージ:患者さん
病院の精神科や心療内科を受診することに抵抗があります。
精神科や心療内科を敷居が高いと感じる方は少なくないでしょう。
しかし、眠れないことは誰にも起こりうることですし、他の病気に関連していたり、将来的に他の病気につながったりすることもあります。
ですから、不眠を治療するために精神科や心療内科を受診することは全く恥ずかしいことではありません。
なかには睡眠診療を専門として掲げているクリニックもありますし、オンライン受診できるクリニックもありますので、気になることがあればまずは受診することをお勧めします。
図表・イメージ:医師

不眠症の診察・検査

図表・イメージ:患者さん
不眠症の診察・検査はどのようなことが行われますか?

基本的には問診です。
医師は患者さんの不眠の状況や睡眠の質、日常生活などの困り事を聞きながら不眠症かどうかを確かめます。
睡眠の専門医療機関では、睡眠日誌やピッツバーグ睡眠質問票などで起きているとき・寝ているときの状況を評価することがあります。2)

図表・イメージ:医師

不眠症の治療

図表・イメージ:患者さん
睡眠薬には依存性があると聞き、このまま続けていていいのか不安で怖いです。すぐに服薬をやめたほうがいいでしょうか。
不安な気持ちも出てきますよね。
睡眠薬は、医師の指示通りに適切な服用をしていれば、過度に心配することはありません。1)
ただし、長期にだらだらと飲み続けたり、一度に大量に服用したりすることは厳に慎まなければなりません。1)
図表・イメージ:医師
図表・イメージ:患者さん
睡眠薬は、ずっと飲み続けるのですか。

いいえ。改善すれば減量・中止を考えていきます3)のでご安心ください。
ただ、減量方法についてはガイドラインで定められています。3)
自己判断での減量・中止は、ときに副作用を引き起こします。3)医師の指示を守り、減量・中止を正しく進めてください。

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図表・イメージ:患者さん
薬以外の方法で治せないのでしょうか。

現在の不眠症治療の主流は睡眠薬を用いた薬物療法です。3)
ただ、薬物療法と並行して、早期から睡眠衛生指導や認知行動療法(CBT-I)を採り入れることも推奨されています。3)
医療機関を受診する前に、ぜひ「睡眠の質を高めるセルフケア」を行ってみてください。

図表・イメージ:医師
図表・イメージ:患者さん
薬以外の方法を探しています。CBT-Iの治療を受けてみたいと思っていますが、どうしたらよいでしょうか。

うつ病などの精神疾患に対する認知行動療法(CBT)は、2010年にわが国でも一定の要件を満たせば健康保険の適用となり、徐々に実施体制が整ってきています。4)
しかし、不眠症に対する認知行動療法(CBT-I)は、まだ日本で広く普及しているわけではなく、健康保険も適用外となっているため、実施できる病院は限られています。
なおCBT-Iは、米国では慢性的な不眠症に対して最初に行う治療として推奨されています。5,6)
CBT-Iの治療にご興味がある場合は、睡眠を専門に扱うクリニックや病院で質問してみるのがよいでしょう。

図表・イメージ:医師

不眠症と生活への支障

図表・イメージ:患者さん
なかなか眠れないので眠る前にお酒を飲んでいます。
それでも夜中に何度も起きてしまい、朝や日中、つらい日が続いています。

不眠症の症状と、それに伴う生活への支障は、つらいですよね。
しかし、その原因はお酒(寝酒)かもしれません。
寝酒は、寝入りは良いのですが、途中で目が覚めてしまうことが問題視されています。7)
一度、寝酒を止めてみましょう。

図表・イメージ:医師
図表・イメージ:患者さん
眠りが浅く、早朝に目覚めてしまう一方で、日中眠くなってしまうことが多く、仕事でも失敗が多くなってきています。

不眠症が疑われる典型的な症状が出ているように思います。
本サイトにある「睡眠衛生指導」や「睡眠の質を高めるセルフケア」を行ってみて、改善されなければ医療機関への受診をご検討ください。

図表・イメージ:医師
  • 1)厚生労働省: e-ヘルスネット[情報提供] 不眠症(三島和夫 著).
    https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-001.html [2024年11月1日アクセス]
  • 2)睡眠障害の診断・治療ガイドライン研究会 内山真 編: 睡眠障害の対応と治療ガイドライン 第3版. 東京, じほう, 2019, pp.258-267.
  • 3)厚生労働科学研究班・日本睡眠学会ワーキンググループ作成: 「睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン」. 2013年10月改訂, pp.5-6, 35.
  • 4)日本認知療法・認知行動療法学会: 認知行動療法の発展.
    http://jact.umin.jp/ryouhou_hatten/ [2024年11月1日アクセス]
  • 5)Sateia MJ, et al. J Clin Sleep Med 2017; 13(2): 307-349.
  • 6)Qaseem A, et al. Ann Intern Med 2016; 165(2): 125-133.
  • 7)厚生労働省, 健康づくりのための睡眠指針の改訂に関する検討会: 健康づくりのための睡眠ガイド2023. 令和6年(2024年)2月, pp.30-33.
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/suimin/index.html [2024年11月1日アクセス]
医師に伝える項目チェックリスト