不眠症の治療方法を知る
よくわかる不眠症診療・治療
睡眠の専門医療機関での不眠症の診療・治療の流れをみてみましょう1)
監修内村直尚先生(久留米大学 学長)
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医療機関で患者さんが症状を伝え、
医師・医療者が状況を把握します
医師または医療者が、患者さんの不眠症状を聞き取ります。
特に、患者さんの不眠のタイプを判断し、日中の困りごとを把握することで、治療の要否、必要な場合の適切な治療選択につなげます。
具体的な症状と、不眠による困りごとを伝えましょう。
2 生活習慣や睡眠環境を見直します(睡眠衛生指導)
治療が必要な場合、まず医師の指導の下で生活習慣の改善や睡眠環境を見直し、不眠症状が改善されるか確認します。このことを、「睡眠衛生指導」と呼びます。
3 症状や状況に応じた、薬物療法を行います
不眠症のタイプはもちろん、患者さんによってはうつ病や不安症など、不眠症以外の病気をもっていることがあります。
そのようなことも含めて患者さんの症状・状況を評価し、適切な治療を行っていきます。
現在、さまざまなタイプの睡眠薬が登場しています。
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治療による改善度に応じて、
非薬物療法を組み合わせることもあります
効果の有無や患者さんの状況を考慮しつつ、認知行動療法などの非薬物療法を組み合わせることもあります。
治療が効いて症状が改善した場合は、治療をどの程度の期間続けるべきか患者さんと話し合い、治療ゴールを設定します。また、改善度に応じて薬の減量や中止を検討していきます。
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症状がよくなってきたら
医師と相談のうえお薬を減らしていき、眠れるようになればお薬をやめて治療終了です
文献1)を参考に作成
- 1)厚生労働科学研究班・日本睡眠学会ワーキンググループ作成: 「睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン」. 2013年10月改訂, pp.5-11.