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風邪の病原体として人類に広く蔓延している4種類※1と、動物から感染した重症肺炎ウイルスの2種類※2、2019年に発見された新型コロナウイルスが知られています。
変異とは、生物やウイルスの遺伝子情報が変化することです。2)
一般的にウイルスは増殖や感染を繰り返す中で徐々に変異をしていくことが知られており、新型コロナウイルスについても少しずつ変異をしています。
大半の変異はウイルスの特性にほとんど影響を及ぼしませんが、一部の変異では、感染・伝播性(広がりやすさ)、重症化リスク、ワクチン・治療薬の効果、診断法などに影響を及ぼすことがあります。3)
オミクロン株流行期(2022年1~3月)においては、以前に比べ、発熱、咽頭痛、痙攣を認める割合が増加した一方で、嗅覚・味覚障害を認める割合は減少しました。
また、小児においては、痙攣、意識障害などの神経症状や嘔吐、経口摂取不良などの呼吸器症状以外の全身症状の出現にも注意を払う必要があり、特に発症後1週間の症状の経過観察が重要であると考えられると報告されています。
妊婦が同年代の女性と比較して、特に新型コロナウイルス感染症に罹患しやすいということはありませんが、妊娠後期に感染すると早産率が高まり、患者本人も重症化しやすいとされています。4)
一方、妊娠初期・中期の感染で胎児に先天異常を起こすという報告はなく、子宮内感染も稀であると考えられています。4)6)オミクロン流行以降は、母体の重症例は減少していますが、一定頻度で妊娠中期の流産や死産が発生しており、そのほとんどがワクチン未接種の妊婦です。諸外国でもわが国でも、妊娠中のワクチン接種による母体と胎児・新生児に対する奇形や流早産などの重篤な有害事象の増加はありません。そのため、日本産科婦人科学会・日本産婦人科感染症学会では、すべての妊婦に週数を問わず、積極的なワクチン接種を推奨しています。4)
新型コロナウイルス感染症は自然に回復する方も多いですが、特定の属性や基礎疾患があると、医療上の入院、酸素投与、集中治療が必要となるリスク(重症化リスク)が大きくなります。
一般にリスク因子の数が多いほど重症化リスクは大きくなると考えられています。ワクチン接種を適切に受けることは重症化リスクを低下させる有効な手段であるとされています。
潜伏期は1~14日間であり、7)曝露から5日程度で発症する4)ことが多いとされています。
ただし、オミクロン株は潜伏期が2~3日、曝露から7日以内に大部分が発症するとの報告があります。7)
発症 2 日前から発症後 7 ~ 10 日間程度と考えられています。4)8)
特に、発症の直前・直後でウイルス排出量が高くなるため、無症状陽性者からも感染する可能性があります。8)
なお、血液・尿・便から感染性のある新型コロナウイルスが検出されることは稀であると言われています。4)
1) 国立感染症研究所|コロナウイルスとは(2021年9月30日改訂)
2) 厚生労働省|新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)2-2.変異株について
3) 国立感染症研究所|変異株について
4) 厚生労働省|新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 第9.0版
5) 厚生労働省|新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)|6.妊婦や小児に関すること|胎児・新生児への影響について
6) 国立感染症研究所|新型コロナウイルス (SARS-CoV-2)の感染経路について
7) 国立感染症研究所|SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)の潜伏期間の推定:暫定報告
8) 厚生労働省|新型コロナウイルスに関するQ&A_2.新型コロナウイルスについて_問3