新型コロナウイルス感染症 − COVID-19(2021年6月25日時点)

パンデミックの歴史:コロナウイルスとインフルエンザウイルス

パンデミックの歴史:コロナウイルスとインフルエンザウイルス

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)とは

「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)」はコロナウイルスのひとつです。コロナウイルスには、一般の風邪の原因となるウイルス、「重症急性呼吸器症候群(SARS-CoV)」や2012年以降発生している「中東呼吸器症候群(MERS)」ウイルスが含まれます。

ウイルスにはいくつか種類があり、コロナウイルスは遺伝情報としてRNAをもつRNAウイルスの一種(一本鎖RNAウイルス)で、粒子の一番外側に「エンベロープ」という脂質からできた二重の膜を持っています。自分自身で増えることはできませんが、粘膜などの細胞に付着して入り込んで増えることができます。

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)とは

直径約100nmの球形で、表面には突起が見られます。形態が王冠“crown”に似ていることからギリシャ語で王冠を意味する“corona”という名前が付けられました。ウイルス学的には、ニドウイルス目・コロナウイルス亜科・コロナウイルス科に分類されます。脂質二重膜のエンベロープの中にNucleocapsid(N)蛋白に巻きついたプラス鎖の一本鎖RNAのゲノムがあり、エンベロープ表面にはSpike(S)蛋白、Envelope(E)蛋白、Membrane(M)蛋白が配置されています。

インフルエンザと新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の相違

外来診療の場において、確定患者と明らかな接触があった場合や、特徴的な症状(インフルエンザにおける突然の高熱、COVID-19における嗅覚・味覚障害など)がない場合、臨床症状のみで両者を鑑別することは困難です。
  インフルエンザ COVID-19
症状の有無 ワクチン接種の有無などにより程度の差があるものの、しばしば⾼熱を呈する 発熱に加えて、嗅覚・味覚障害を伴うことがある
潜伏期間 1〜2日 1~14 ⽇(平均5.6⽇)
無症状感染 10%
無症状患者では、ウイルス量は少ない
数%~60%
無症状患者でも、ウイルス量は多く、感染⼒が強い
ウイルス排出期間 5~10日
(多くは5~6日)
遺伝⼦は⻑期間検出するものの、感染⼒があるウイルス排出期間は10⽇以内
ウイルス排出のピーク 発病後2,3⽇後 発症日
重症度 多くは軽症~中等症 重症になりうる
致死率 0.1%以下 3~4%
ワクチン 使⽤可能だが季節毎に有効性は異なる 有効なワクチンが開発され、予防接種法に基づく臨時接種が開始された
治療 オセルタミビル、ザナミビル、ペラミビル、ラニナミビル、バロキサビル マルボキシル 軽症例については、確⽴された治療薬はなく、多くの薬剤が臨床治験中
ARDSの合併 少ない しばしばみられる
*ARDS(急性呼吸性窮迫症候群)

COVID-19の重症化と死亡

COVID-19の重症化と死亡
※「重症化する人の割合」は、2020年6月~8月に新型コロナウイルス感染症と診断された症例(無症状を含む)のうち、
集中治療室での治療や人工呼吸器等による治療を行った症例または死亡した症例の割合。

重症化のリスク因子

COVID-19の入院患者レジストリCOVIREGI-JP の解析では、基礎疾患がない症例と比較し、慢性腎臓病、肝疾患、肥満、脂質異常症、高血圧、糖尿病を有する症例は入院後に重症化する割合が高い傾向にある。また基礎疾患がない症例と比較し、心疾患、慢性肺疾患、脳血管障害、慢性腎臓病を有する症例は死亡する割合が高い傾向にある。重症化因子と死亡因子は異なる可能性があることが示唆されている。

重症化のリスク因子 評価中の要注意な基礎疾患など

・65 歳以上の高齢者
・悪性腫瘍
・慢性閉塞性肺疾患(COPD)
・慢性腎臓病
・2型糖尿病
・高血圧
・脂質異常症
・肥満(BMI 30 以上)
・喫煙
・固形臓器移植後の免疫不全

・妊娠後期

・ステロイドや生物学的製剤の使用
・HIV 感染症(特にCD4 < 200 /µL)

COVID-19の感染経路

一般的には飛沫感染、接触感染で感染します。閉鎖した空間で、近距離で多くの人と会話するなどの環境では、咳やくしゃみなどの症状がなくても感染を拡大させるリスクがあるとされています。

飛沫感染

飛沫感染とは、感染者の飛沫(くしゃみ、咳、つばなど)と一緒にウイルスが放出され、他の方がそのウイルスを口や鼻などから吸い込んで感染することを言います。

WHOは、一般に、5分間の会話で1回の咳と同じくらいの飛沫(約3,000個)が飛ぶと報告しています。

接触感染

接触感染とは、感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、その手で周りの物に触れるとウイルスがつきます。他の方がそれを触るとウイルスが手に付着し、その手で口や鼻を触ることにより粘膜から感染することを言います。

WHOは、新型コロナウイルスは、プラスチックの表面では最大72時間、ボール紙では最大24時間生存するなどとしています。

感染経路の種類

COVID-19の感染経路_感染経路の種類

詳しくは「マスギャザリング感染症ナビ」をご参照ください

COVID-19の予防

咳エチケットと手洗いをしましょう

風邪や季節性インフルエンザ対策と同様におひとりおひとりの咳エチケットや手洗いなどの実施がとても重要です。風邪症状があれば、外出を控えていただき、やむを得ず、外出される場合にはマスクを着用してください。

COVID-19の予防

手洗いは、たとえ流水だけであったとしても、ウイルスを流すことができるため有効ですし、石けんを使った手洗いはコロナウイルスの膜を壊すことができるので、更に有効です。

三密を避けましょう

集団感染の共通点は、特に、「換気が悪く」、「人が密に集まって過ごすような空間」、「不特定多数の人が接触するおそれが高い場所」です。換気が悪く、人が密に集まって過ごすような空間に集団で集まることを避けてください。

 

新しい生活様式の実践例

新型コロナウイルス感染症専門会議からの提言を踏まえ、新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」を具体的にイメージできるような実践例をご参照ください。

COVID-19の検査

新型コロナウイルス感染症に関する検査の比較
検査種類 抗原定性検査 抗原定量検査 PCR検査
調べるもの ウイルスを特徴づける蛋白質(抗原) ウイルスを特徴づける蛋白質(抗原) ウイルスを特徴づける遺伝子配列
精度 検出には、一定以上のウイルス量が必要 抗原定性検査より少ない量のウイルスを検出できる 抗原定性検査より少ない量のウイルスを検出できる
検査実施場所 検体採取場所で実施 検体を検査機関に搬送して実施注) 検体を検査機関に搬送して実施
判定時間 約30分 約30分+検査機関への搬送時間 数時間+検査機関への搬送時間
注)定量検査に必要な機器が医療機関に設置されている場合もあり、検体採取場所で実施できるケースもあります。

抗体検査:
日本国内で医薬品・医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)上の体外診断用医薬品として承認を得た抗体検査はありません。(2021年6月18日現在)
WHOは、抗体検査について、診断を目的として単独で用いることは推奨されず、疫学調査等で活用できる可能性を示唆しています。

治療薬の実用化に向けた取組み:2021年6月25日時点

既存の治療薬で、それぞれの過程をターゲットとした薬や、新型コロナウイルス感染症の症状(サイトカインストーム等)への効果が期待できる薬を新型コロナウイルスの治療薬として実用化するため、その治療効果や安全性を検証するための治験や臨床研究が進んでおり、一部には承認されたものもあります。

SARS-CoV-2に有効な消毒・除菌方法

現在、「消毒」や「除菌」の効果をうたう様々な製品が出回っていますが、目的にあった製品を、正しく選び、正しい方法で使用しましょう。

方法 モノ 手指 現在の市販品の
薬機法上の整理
水及び石鹸による洗浄
熱水 ×
アルコール消毒液 医薬品・医薬部外品
(モノへの適用は「雑品」)
次亜塩素酸ナトリウム水溶液
(塩素系漂白剤)
× 「雑品」
(一部、医薬品)
手指用以外の界面活性剤
(洗剤)

(未評価)
「雑品」
(一部、医薬品・医薬部外品)
次亜塩素酸水
(一定条件を満たすもの)

(未評価)
「雑品」
(一部、医薬品)
亜塩素酸水
(未評価)
「雑品」
(一部、医薬品)
  • ・熱水:80℃の熱水に10分間さらします
  • ・アルコール消毒液:濃度70%以上95%以下のエタノールを用いて拭き取ります
  • ・次亜塩素酸ナトリウム:0.05%になるように薄めて拭き、その後、水拭きします
  • ・界面活性剤:有効な界面活性剤を含む家庭用洗剤で拭きます
  • ・次亜塩素酸水:汚れをあらかじめ落としておく
                                     拭き掃除 =有効塩素濃度80ppm以上(20秒以上おいて拭き取ります)
                                     流水で掛け流す =有効塩素濃度35ppm以上(20秒以上掛け流した後、拭き取ります)
  • ・亜塩素酸水:製品の用法・用量に従って必要に応じて希釈します
  •        その後、水気を拭き取って乾燥させて下さい

家族にCOVID-19が疑われる場合(家庭内での注意事項)

  1. 1. 部屋を分けましょう
      【部屋を分けられない場合】
       ・少なくとも2mの距離を保つ
       ・仕切りやカーテンなどを設置する
       ・寝るときは頭の位置を互い違いにする
  2. 2. 感染が疑われる家族のお世話はできるだけ限られた方で
  3. 3. マスクをつけましょう
  4. 4. こまめに手を洗いましょう
        こまめに石鹸で手を洗いましょう
        アルコール消毒をしましょう
  5. 5. 換気をしましょう:換気回数は毎時2回以上確保しましょう
  6. 6. 手で触れる共有部分を消毒しましょう
        (タオルは共有しないように注意しましょう
        感染が疑われる家族の使用したものを分けて洗う必要はありません)
  7. 7. 汚れたリネン、衣服を洗濯しましょう
        (体液で汚れた衣服、リネン:手袋とマスクをつけ、一般的な家庭用洗剤で洗濯し完全に乾かしましょう)
  8. 8. ゴミは密閉して捨てましょう
家族にCOVID-19が疑われる場合(家庭内での注意事項)
  1.  

濃厚接触者とは

新型コロナウイルスに感染していることが確認された方と近距離で接触、或いは長時間接触し、感染の可能性が相対的に高くなっている方を指します。必要な感染予防策をせずに手で触れること、または対面で互いに手を伸ばしたら届く距離(1m程度以内)で15分以上接触があった場合に濃厚接触者と考えられます。

新型コロナウイルス感染者から、ウイルスがうつる可能性がある期間(発症2日前から入院等をした日まで)に接触のあった方々について、関係性、接触の程度などについて、保健所が調査(積極的疫学調査)を行い、個別に濃厚接触者に該当するかどうか判断します。接触確認アプリを利用すると、陽性者と、1m以内、15分以上の接触の可能性がある場合に通知が行われ、速やかな検査や治療につながります。

なお、15分間、感染者と至近距離にいたとしても、マスクの有無、会話や歌唱など発声を伴う行動や対面での接触の有無など、「3密」の状況などにより、感染の可能性は大きく異なります。そのため、最終的に濃厚接触者にあたるかどうかは、このような具体的な状況を聞いた上で判断されます。

濃厚接触者と判断された場合は、保健所の指示に従ってください。濃厚接触者は、感染している可能性があることから、感染した方と接触した後14日間は、健康状態に注意を払い(健康観察)、不要不急の外出は控えてください。

医療の相談

かかりつけ医等に電話相談又は、「帰国者・接触者相談センター」に相談

  • ・息苦しさ(呼吸困難)、強いだるさ(倦怠感)、高熱等の強い症状のいずれかがある場合
  • ・重症化しやすい方で、発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状がある場合
     ※高齢者、糖尿病、心不全、呼吸器疾患(COPD等)等の基礎疾患がある方や透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤等を用いている方
  • ・上記以外の方で発熱や咳など比較的軽い風邪の症状が続く場合(症状が4日以上続く場合は必ずご相談ください。症状には個人差がありますので、強い症状と思う場合にはすぐに相談してください。解熱剤などを飲み続けなければならない方も同様です。)。
  • ・妊婦の方については、念のため、重症化しやすい方と同様に、早めに帰国者・接触者相談センター等に御相談ください。

新型コロナウイルス対策を踏まえた適切な医療機関の受診について

1.  過度な受診控えは健康上のリスクを高めてしまう可能性があります。
2.  コロナ禍でも健診や持病の治療、お子さまの予防接種などの健康管理は重要です。
3.  医療機関や健診会場では、換気や消毒でしっかりと感染予防対策をしています。
4.  健康に不安がある時は、まずはかかりつけ医・かかりつけ歯科医に相談しましょう。

オンライン診療の対応医療機関リスト

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