新型コロナウイルス感染症 − COVID-19

2022年4月13日時点

パンデミックの歴史:コロナウイルスとインフルエンザウイルス

パンデミックの歴史:コロナウイルスとインフルエンザウイルス

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)とは

「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)」はコロナウイルスのひとつです。コロナウイルスには、一般の風邪の原因となるウイルスや、「重症急性呼吸器症候群(SARS)」や2012年以降発生している「中東呼吸器症候群(MERS)」ウイルスが含まれます。

ウイルスにはいくつか種類があり、コロナウイルスは遺伝情報としてRNAをもつRNAウイルスの一種(一本鎖RNAウイルス)で、粒子の一番外側に「エンベロープ」という脂質からできた二重の膜を持っています。自分自身で増えることはできませんが、粘膜などの細胞に付着して入り込んで増えることができます。

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)とは

直径約100nmの球形で、表面には突起が見られます。形態が王冠“crown”に似ていることからギリシャ語で王冠を意味する“corona”という名前が付けられました。ウイルス学的には、ニドウイルス目・コロナウイルス亜科・コロナウイルス科に分類されます。脂質二重膜のエンベロープの中にNucleocapsid(N)蛋白に巻きついたプラス鎖の一本鎖RNAのゲノムがあり、エンベロープ表面にはSpike(S)蛋白、Envelope(E)蛋白、Membrane(M)蛋白が配置されています。

ウイルスの変異株について

変異とは、生物やウイルスの遺伝子情報が変化することです。ウイルスが増殖する際、ウイルスの遺伝情報(新型コロナウイルスの場合はRNA) が書き換わることがあり、これをウイルスの変異といいます。

一般的に、ウイルスは流行していく中で少しずつ変異をおこしていきます。この変異したウイルスが変異株です。ウイルスを構成するタンパク質の遺伝情報の変異が起こるとウイルスの性質が変化することがあります。感染の広がりやすさ(伝播性)や、引き起こされる病気の重さ(病毒性)が変わることもあれば、ワクチンや薬が効きにくくなる(免疫逃避や耐性獲得)こともあります。

新型コロナウイルスについても、約2週間に1箇所程度の速度で変異していると考えられています。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の主な特徴

症状

日本国内での積極的疫学調査(2020年1月25日~2021年5月6日)によると、発症時の症状は発熱、呼吸器症状、倦怠感、頭痛、消化器症状、鼻汁、味覚異常、嗅覚異常、関節痛、筋肉痛の順に多くみられました。

インフルエンザや普通感冒と比較して、鼻汁・鼻閉は少なく、嗅覚・味覚障害の多いことがCOVID-19 の特徴と考えられてきました。しかしオミクロン株による感染では、ウイルスが上気道で増殖しやすい特性に伴い、鼻汁、頭痛、倦怠感、咽頭痛などの感冒様症状の頻度が増加し、嗅覚・味覚障害の症状の頻度が減少したと報告されています。

厚生労働省:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第7.1版

潜伏期

潜伏期は1~14日間であり、曝露から5日程度で発症することが多いとされています。

発症前から感染性があり、発症から間もない時期の感染性が高いことが市中感染の原因となっており、SARSやMERSと異なる特徴です。

厚生労働省:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第7.1版

感染する可能性がある期間

一般的に、肺炎などを起こすウイルス感染症の場合は、症状が最も強く現れる時期に、他者へウイルスを感染させる可能性も最も高くなると考えられています。

しかし、新型コロナウイルスでは、発症の2日前から発症後7~10日間程度他の人に感染させる可能性があるとされています。特に、発症の直前・直後でウイルス排出量が高くなるため、無症状病原体保有者(症状はないが検査が陽性だった者)からも、感染する可能性があります。

重症化

新型コロナウイルスに感染した人は、軽症であった方、治癒する方も多いですが、重症化する方は、普通の風邪症状が出てから約5~7日程度で、症状が急速に悪化し、肺炎に至るようです。

COVID-19の重症化と死亡
※「重症化する人の割合」は、2021年7月~10月に新型コロナウイルス感染症と診断された症例(無症状を含む)のうち、
集中治療室での治療や人工呼吸器等による治療を行った症例または死亡した症例の割合。
厚生労働省:(2022年4月版)新型コロナウイルス感染症の”いま”に関する11の知識より作図

重症化のリスク因子

COVID-19は自然に回復する患者も多いですが、特定の属性や基礎疾患があると、医療上の入院、酸素投与、集中治療が必要となるリスク(重症化リスク)が大きくなります。一般にリスク因子の数が多いほど重症化リスクは大きくなると考えられています。

重症化のリスク因子 評価中の要注意な基礎疾患など

・65 歳以上の高齢者
・悪性腫瘍
・慢性閉塞性肺疾患(COPD)
・慢性腎臓病
・糖尿病
・高血圧
・脂質異常症
・肥満(BMI 30 以上)
・喫煙
・固形臓器移植後の免疫不全

・妊娠後半期

・ステロイドや生物学的製剤の使用
・HIV 感染症(特にCD4 < 200 /µL)

厚生労働省:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第7.1版

COVID-19の感染経路

感染者の口や鼻から、咳、くしゃみ、会話などのときに排出される、ウイルスを含む飛沫又はエアロゾルと呼ばれる更に小さな水分を含んだ状態の粒子を吸入するか(飛沫感染・エアロゾル感染)、感染者の目や鼻、口に直接的に接触すること(接触感染)により感染します。

飛沫感染・エアロゾル感染※

一般的には1メートル以内の近接した環境において感染しますが、エアロゾルは1メートルを超えて空気中にとどまりうることから、長時間滞在しがちな、換気が不十分であったり、混雑した室内では、感染が拡大するリスクがあることが知られています。

  • エアロゾル感染は厳密な定義がない状況にあります。医療機関では、少なくともエアロゾルを発生する処置が行われる場合には、空気予防策が推奨されています。

接触感染

ウイルスが付いたものに触った後、手を洗わずに、目や鼻、口を触ることにより感染することもあります。

WHOは、新型コロナウイルスは、プラスチックの表面では最大72時間、ボール紙では最大24時間生存するなどとしています。

COVID-19の予防

咳エチケットと手洗いをしましょう

風邪や季節性インフルエンザ対策と同様にお一人おひとりの咳エチケットや手洗いなどの実施がとても重要です。風邪症状があれば、外出を控えていただき、やむを得ず、外出される場合にはマスクを着用してください。

COVID-19の予防

手洗いは、たとえ流水だけであったとしても、ウイルスを流すことができるため有効ですし、石けんを使った手洗いはコロナウイルスの膜を壊すことができるので、更に有効です。

三密(密集、密接、密閉)を避けましょう

集団感染の共通点は、特に、「換気が悪く」、「人が密に集まって過ごすような空間」、「不特定多数の人が接触するおそれが高い場所」です。換気が悪く、人が密に集まって過ごすような空間に集団で集まることを避けてください。

やむを得ない場合には、マスクをするとともに、「大声で話さない、相手と手が触れ合う距離での会話は避ける」といったことに心がけてください。

新しい生活様式の実践例

新型コロナウイルス感染症専門会議からの提言を踏まえ、新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」を具体的にイメージできるような実践例をご参照ください。

COVID-19の検査

新型コロナウイルス感染症に関する検査の比較
検査種類 抗原定性検査 抗原定量検査 PCR検査
調べるもの ウイルスを特徴づけるタンパク質(抗原) ウイルスを特徴づけるタンパク質(抗原) ウイルスを特徴づける遺伝子配列
精度 検出には、一定以上のウイルス量が必要 抗原定性検査より少ない量のウイルスを検出できる 抗原定性検査より少ない量のウイルスを検出できる
検査実施場所 検体採取場所で実施 検体を検査機関に搬送して実施注) 検体を検査機関に搬送して実施
判定時間 約30分 約30分+検査機関への搬送時間 数時間+検査機関への搬送時間
注)定量検査に必要な機器が医療機関に設置されている場合もあり、検体採取場所で実施できるケースもあります。

抗体検査:
日本国内で医薬品・医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)上の体外診断用医薬品として承認を得た抗体検査はありません。(2022年3月2日現在)
WHOは、抗体検査について、診断を目的として単独で用いることは推奨されず、疫学調査等で活用できる可能性を示唆しています。

新型コロナワクチンについて

ワクチン、予防接種とは

予防接種とは、感染症の原因となる病原体に対する免疫ができる体の仕組みを使って、病気に対する免疫をつけたり、免疫を強くするために、ワクチンを接種することをいいます。

新型コロナワクチンの特徴

新型コロナワクチンには、重症化を防いだり、発熱やせきなどの症状が出ること(発症)を防ぐ効果があります。接種を受けていただくことで、重症者や死亡者が減ることが期待されています。

一方で、接種後の副反応として、接種部位の痛み、頭痛・倦怠感、筋肉痛などが報告されているほか、ごくまれに、接種後のアナフィラキシー(急性のアレルギー)が報告されています。

新型コロナワクチンの薬事承認にあたって、有効性や安全性を、臨床試験や科学的知見に基づいて確認しています。

治療薬の実用化に向けた取り組み

既存の治療薬で、それぞれの過程(1.侵入、2.複製、3.増殖、4.拡散)をターゲットとした薬や、新型コロナウイルス感染症の症状(サイトカインストーム等)への効果が期待できる薬を新型コロナウイルスの治療薬として実用化するため、その治療効果や安全性を検証するための治験や臨床研究が進んでおり、一部には承認されたものもあります。

SARS-CoV-2に有効な消毒・除菌方法

現在、「消毒」や「除菌」の効果をうたう様々な製品が出回っていますが、目的にあった製品を、正しく選び、正しい方法で使用しましょう。

方法 モノ 手指 現在の市販品の
薬機法上の整理
水及び石鹸による洗浄
熱水 ×
アルコール消毒液 医薬品・医薬部外品
(モノへの適用は「雑品」)
次亜塩素酸ナトリウム水溶液
(塩素系漂白剤)
× 「雑品」
(一部、医薬品)
手指用以外の界面活性剤
(洗剤)

(未評価)
「雑品」
(一部、医薬品・医薬部外品)
次亜塩素酸水
(一定条件を満たすもの)

(未評価)
「雑品」
(一部、医薬品)
亜塩素酸水
(未評価)
「雑品」
(一部、医薬品)
  • 薬機法上の承認を有する製品が一部あり、そのような製品は手指消毒も可能
  • 一部、食品添加物に該当する製品があり、食品衛生法の規制がかかる場合があります

・水及び石鹸による洗浄:手や指に付着しているウイルスの数は、流水による15秒の手洗いだけで1/100に、石けんやハンドソープで10秒もみ洗いし、流水で15秒すすぐと1万分の1に減らせます

  • ・熱水:80℃の熱水に10分間さらします
  • ・アルコール消毒液:濃度70%以上95%以下のエタノールを用いて拭き取ります
  • 60%台のエタノールによる消毒でも一定の有効性があると考えられる報告があり、70%以上のエタノールが入手困難な場合には、60%台のエタノールを使用した消毒も差し支えありません
  • ・次亜塩素酸ナトリウム:0.05%になるように薄めて拭き、その後、水拭きします
  • ・界面活性剤:有効な界面活性剤を含む家庭用洗剤で拭きます
  • ・次亜塩素酸水:汚れをあらかじめ落としておきます
                                     拭き掃除 =有効塩素濃度80ppm以上(20秒以上おいて拭き取ります)
                                     流水でかけ流す =有効塩素濃度35ppm以上(20秒以上かけ流した後、拭き取ります)
  • ・亜塩素酸水:製品の用法・用量に従って必要に応じて希釈します
  •        その後、水気を拭き取って乾燥させて下さい

家族にCOVID-19が疑われる場合(家庭内での注意事項)

  1. 1. 部屋を分けましょう
      【部屋を分けられない場合】
       ・少なくとも2mの距離を保つ
       ・仕切りやカーテンなどを設置する
       ・寝るときは頭の位置を互い違いにする
  2. 2. 感染が疑われる家族のお世話はできるだけ限られた方で
  3. 3. マスクをつけましょう
  4. 4. こまめに手を洗いましょう
        こまめに石鹸で手を洗いましょう
        アルコール消毒をしましょう
  5. 5. 換気をしましょう:換気回数は毎時2回以上確保しましょう
  6. 6. 手で触れる共有部分を消毒しましょう
        (特にタオルは共有しないように注意しましょう
        感染が疑われる家族の使用したものを分けて洗う必要はありません)
  7. 7. 汚れたリネン、衣服を洗濯しましょう
        (手袋とマスクをつけ、一般的な家庭用洗剤で洗濯し完全に乾かしましょう)
  8. 8. ゴミは密閉して捨てましょう
家族にCOVID-19が疑われる場合(家庭内での注意事項)

濃厚接触者とは

新型コロナウイルスに感染していることが確認された方と近距離で接触、あるいは長時間接触し、感染の可能性が相対的に高くなっている方を指します。必要な感染予防策をせずに手で触れること、または対面で互いに手を伸ばしたら届く距離(1m程度以内)で15分以上接触があった場合に濃厚接触者と考えられます。

新型コロナウイルス感染者から、ウイルスがうつる可能性がある期間(発症2日前から入院等をした日まで)に接触のあった方々について、関係性、接触の程度などについて、保健所が調査(積極的疫学調査)を行い、個別に濃厚接触者に該当するかどうか判断します。接触確認アプリを利用すると、陽性者と、1m以内、15分以上の接触の可能性がある場合に通知が行われ、速やかな検査や治療につながります。

なお、15分間、感染者と至近距離にいたとしても、マスクの有無、会話や歌唱など発声を伴う行動や対面での接触の有無など、「3密」の状況などにより、感染の可能性は大きく異なります。そのため、最終的に濃厚接触者にあたるかどうかは、このような具体的な状況を聞いた上で判断されます。

濃厚接触者と判断された場合は、保健所の指示に従ってください。

医療の相談

かかりつけ医等に電話相談又は、「帰国者・接触者相談センター」に相談

  • ・息苦しさ(呼吸困難)、強いだるさ(倦怠感)、高熱等の強い症状のいずれかがある場合
  • ・重症化しやすい方で、発熱や咳等の比較的軽い風邪の症状がある場合
  • 高齢者、糖尿病、心不全、呼吸器疾患(COPD等)等の基礎疾患がある方や透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤等を用いている方
  • ・上記以外の方で発熱や咳等比較的軽い風邪の症状が続く場合(症状が4日以上続く場合は必ずご相談ください。症状には個人差がありますので、強い症状と思う場合にはすぐに相談してください。解熱剤等を飲み続けなければならない方も同様です。)
  • ・妊婦の方については、念のため、重症化しやすい方と同様に、早めに帰国者・接触者相談センター等にご相談ください。

・小児については、小児科医による診察が望ましく、帰国者・接触者相談センターやかかりつけ小児医療機関に電話等でご相談ください。

新型コロナウイルス対策を踏まえた適切な医療機関の受診について

1.  過度な受診控えは健康上のリスクを高めてしまう可能性があります。
2.  コロナ禍でも健診や持病の治療、お子さまの予防接種などの健康管理は重要です。
3.  医療機関や健診会場では、換気や消毒でしっかりと感染予防対策をしています。
4.  健康に不安がある時は、まずはかかりつけ医・かかりつけ歯科医に相談しましょう。

オンライン診療の対応医療機関リスト

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