症状

はじめは空咳(痰のない咳)や、坂道や階段の上り下りでの息切れが認められます。
進行すると少しの労作でも息切れを感じるようになります。
また、人によっては、指の先が太鼓のばち状に太くなる「ばち指」が認められる場合もあります。

検査と診断

症状や胸部レントゲン検査などで特発性肺線維症(IPF)が疑われたら、他の呼吸器疾患の可能性を除外した上で、画像診断(高分解能CT)により確定診断されます。判断が難しい場合は、肺生検を行うこともあります。
実施する問診・検査など
問診票での調査 家族歴、喫煙の有無、職業による粉塵吸入の経験の有無、住環境(工場からの排塵、ペットの飼育など)、呼吸器以外の症状の有無
医師による診察 聴診器での呼吸音の確認、ばち指、その他の所見
血液中の酸素量 動脈血液ガス(動脈血採血)・パルスオキシメーターによる測定
血液検査 血清マーカー(KL-6、SP-D)などの検査
呼吸機能の検査 スパイロメトリーによる肺活量などの測定
画像診断 胸部レントゲン・高分解能CT検査
気管支肺胞洗浄/
経気管支肺生検
気管支鏡という内視鏡を気管支に挿入し検査します。
外科的肺生検 肺の一部を検体として少しだけ切り出して、顕微鏡で観察します。
最近では、患者さんへの負担が少ない胸腔鏡下肺生検が主流です。
判断が難しい場合のみ行われます。
胸腔鏡下肺生検:腋の下、腰の少し上、背中の3ヵ所に1cmくらいの穴を開けて、胸腔鏡と呼ばれるカメラと、切り取るための器具を挿入し、モニターに映し出された映像で確認しながら、肺組織を採る方法。

専門医からのメッセージ

貫和 敏博 先生

東北大学 名誉教授

河野 修興 先生

広島都市学園大学 学長