ピレスパの副作用

国内で実施された臨床試験において、頻度の多いものとして光線過敏症、食欲不振、胃不快感、胸やけ、吐き気、倦怠感、眠気、γ-GTPの上昇などが認められました。
ここでは、対処が可能な副作用について、その対策方法をご紹介します。

光線過敏症とは

日光に対して皮膚が過敏に反応し炎症が起こる症状で、健康な人では起きない程度の日光でも症状があらわれます。日光にさらされた部位に、赤みや炎症、かゆみ・軽い痛み・刺激感を伴う皮疹などの症状があらわれるのが特徴です。日光に含まれる紫外線が原因となることが多いといわれています。
空腹時の服用は避けてください
光線過敏症や食欲不振、胃不快感といった副作用は血中濃度と関連すると考えられています。
注意
血中濃度が高くなる空腹時の服用は避けてください。また、長時間外出する場合は、できるだけ服用直後を避けるか、紫外線対策を十分行って外出してください。“副作用かもしれない”と感じたら、小さなことでもすぐに主治医や薬剤師に相談しましょう。

食欲不振の対策

栄養摂取は治療のために大切です。食欲がないときには、うどんやそうめんなどののどごしのよいもの、プリンやゼリーなどの口当たりのよいもの、あっさりしたものなどを無理せず少量ずつ可能な範囲で食べるとよいでしょう。
いつでもすぐ食べられるように軽食を準備したり、できるだけおいしそうに見えるように盛り付けを工夫すると食事に手が伸びやすくなるかもしれません。
また、栄養バランスを考慮した流動食や栄養補助飲料なども市販されています。こういったものを利用するのもよいでしょう。

胃不快感・胸やけ・吐き気の対策

「胃が痛い」「胸のあたりがムカムカする」「吐き気がする」「気分が悪い」というときは、消化のよいものをとるようにし、脂肪分の多い食事を避けるようにしましょう。
また、“におい”により吐き気を催すことがあるので、吐き気を催すにおいを避けるようにするとよいでしょう。
  • 胃不快感や胸やけに効く胃腸薬や、吐き気を抑える薬もあります。
    主治医に相談してみましょう。

  • 空腹時にピレスパを服用すると食欲不振、胃不快感などの消化器症状が
    出やすくなります。必ず食後に服用するようにしましょう。

光線過敏症の対策

光線過敏症の対策には、遮光がまず第一です。そのために「可能な限り、日光から防御する」ことが重要な予防・対処法です。
紫外線の強い日中(朝9時~昼3時頃)に長時間外出するときは、衣類、帽子などで日光を防ぎ、日焼け止めも使用しましょう。春先は気温のわりに紫外線が強いので気をつけましょう。
また、くもりの日も紫外線は届いているので注意しましょう。
紫外線は、ガラスも透過します。室内または車中で窓際にいる時にはガラス越しの紫外線にも注意しましょう。
外出するときは天候にかかわらず、濃い色の衣服、長袖・長ズボン、帽子、手袋、サングラス、日傘などを着用し、できるだけ紫外線にさらされないようにしましょう。また、唇も日光にあたりやすいのでマスクをするのもよいでしょう。

紫外線から防御するもの

UV加工(紫外線防止加工)されたものも市販されています。
外出するときは日焼け止めを塗りましょう。
日焼け止めは、効果の高いもの(SPF50+、PA+++以上)を使いましょう。
光線過敏症の予防には、日焼け止めが非常に有効です。日焼け止めは、ムラなくたっぷり塗り2~3時間おきに塗り直して使うと効果的です。

紫外線をしっかりブロックしてくれるクリームタイプなどがお薦めです。ドラッグストアや化粧品売り場などで購入できます。

説明書にある使用量をしっかり塗りましょう

・顔に使用する場合

クリームタイプの日焼け止めは、小指先くらいを手のひらに取ります。額、鼻、両頬、アゴに分けて置き、そこからムラのないようにていねいに塗り伸ばします。そのあともう一度同じ量を重ねづけします。

・腕や脚など広範囲に使用する場合

容器から直接、直線を描くようにつけてから、手のひらでらせんを描くようにムラなくていねいに塗り伸ばします。

塗り忘れに注意
首筋、耳、うなじ、腕の内側、手の甲、指先、すね、ふくらはぎ、足の甲などが、塗り忘れしやすい場所です。

日焼け止めに書いてあるSPFとPAとは?

・SPF
SPFとは、Sun Protection Factor(サン プロテクション ファクター)の略で紫外線防御指数ともいいます。UVB(中波長紫外線)の防止効果をあらわす指標です。
・PA
PAとは、Protection Grade of UVA(プロテクション グレイド オブ UVA)の略でUVA(長波長紫外線)防御指数ともいいます。UVAの防止効果をあらわす指標で、現在では強い方から++++、+++、++、+の4段階で表示されています。

<参考>紫外線のうち、地上に届くものは、波長の長い順にUVA、UVBの大きく2種類に分けられます。

光線過敏症の予防・対処法について、
専門医からのメッセージ

倦怠感・眠気の対策

「体がだるい」「やる気が出ない」「眠くてたまらない」というときは、無理をせずに十分な休息をとりましょう。