腰痛と睡眠の関係とは?
夜間、体を動かしていなくても腰が痛い…という方はまずはこちらをチェック!
最近、朝起きると腰が痛くて…
私は腰が痛くて、夜なかなか寝つけないんです…
腰痛によって寝つきが悪くなったり、夜中・明け方に腰が痛くて目が覚めてしまったり、朝体を起こしたときに腰が痛かったり、腰痛の人の睡眠の悩みにはいろいろなパターンがありますね
実は、睡眠と腰痛などの痛みには関係があると言われているんですよ
そうなんですか? どんな関係があるんでしょうか
まず、睡眠時間が不足したり、深い睡眠がとれなかったりすると、腰痛等*になるリスクを高めるといった報告があります1)
*腰痛・首の痛み・肩の痛み
逆に、慢性の痛みが、よく眠れないことの原因にもなるという報告もあります
痛くて眠れない、眠れなくて痛い、というように両者は相対関係があるのかもしれませんね2)
よく眠るための工夫とは?
なるほど… では、腰の痛みでよく眠れないときや朝起きると腰が痛い場合は、どうしたらいいでしょうか?
あなたの腰痛が、エクササイズで症状改善が期待できるタイプであれば、まずはお手軽エクササイズを試してみましょう!
そのうえで、よく眠るための工夫をしてはいかがでしょうか
よく眠るための工夫というと…
寝る前はスマホを見ないようにしたり、照明も明るすぎないようにはしているのですが…
具体的にどんな工夫をしたらいいでしょうか?
睡眠をとりまく環境を見直してみましょう
よい眠りを得られるかどうかには、寝具や寝室の環境を整えてみるのがおすすめです3)
寝具には、大きく2つの役割があると言われています
- ① 体への負担が少ない姿勢を保つ
- ② 寝ているときの保温
まず①についてですが、現在はどんな寝具を使用していますか?
硬めのマットレスを使用しています
柔らかいマットレスは腰痛によくないと聞いたことがあるので…
腰痛には、硬すぎず、柔らかすぎず、適度な硬さのマットレスがおすすめですよ3,4)
実は、中程度の硬さのマットレスを使用している患者さんでは、硬いマットレスを使用している患者さんよりも就寝時の痛みなどを改善したとの報告があるんです
たしかに柔らかすぎるマットレスは、お尻が沈みやすく腰のカーブが保てなくなり、腰痛の原因になることもあります
一方、硬すぎるマットレスも骨があたり、痛みを感じやすくなってしまいます
そうなんですね、他に気を付けることはありますか?
枕についても、高さの合わないものを使用すると、腰痛の原因になることがあります
枕の役割は、マットレスや敷き布団と後頭部から首にかけてのすき間を埋め、自然な体勢を保つことにあります
このすき間は個人差が大きいため、自分の体型に合った枕の高さを知り、安定感のあるものを選ぶとよいでしょう3)
寝具の役割②『寝ているときの保温』についてですが、私たちの身体は深い眠りを保つために発汗することで体温を下げています
そのため、寝具は吸湿性・放湿性がよく、保温性のよいものがおすすめです
また、冬場の寒い時期には、あらかじめ毛布や湯たんぽ、電気毛布などで寝具内を温めておくと寝つきがよくなりますよ3)
なるほど! まずは今使っている寝具を見直してみたいと思います
はい、もし夜間に安静にしていても腰が痛むような場合には、一度医師に相談してみましょう
ページ監修:パラマウントベッド株式会社 小池 清貴 氏(理学療法士)
総合監修:ポートアイランド病院 副院長 習田 武史 先生(整形外科医)
1)Canivet C, et al. Int J Behav Med. 2008, 15(4), 254-262. 2)O'Brien EM, et al. Clin J Pain. 2011, 27(5), 425-433. 3)厚生労働省e-ヘルスネット. 快眠のためのテクニック -よく眠るために必要な寝具の条件と寝相・寝返りとの関係. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-003.html [2023年10月24日アクセス] 4)Kovacs FM, et al. Lancet. 2003, 362(9396), 1599-1604.