エクササイズの前に確認しましょう!1,2)
エクササイズをはじめる前に、エクササイズが効果的かどうかチェックリストで確認しましょう。
はい | いいえ | チェック項目 |
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1日のうちで痛みを感じない時間がある(10分程度でもOK)。 | ||
膝より下には痛みが出ていない。 | ||
しばらく座っていると痛くなる。あるいは、立ち上がるときに痛みを感じる。 | ||
前かがみの姿勢でいると痛みがひどくなる。あるいは、長時間前かがみの姿勢をとった後(例えば掃除、アイロンかけ、穴掘り、ガーデニングなど)で痛くなる。 | ||
朝起きるときは痛いが、30分ほどたつと痛みがやわらぐ。 | ||
じっとしていると痛い。もしくは、動いていると痛みがやわらぐ。 | ||
歩いていると痛みがやわらぐ。 | ||
うつぶせでいると痛みがやわらぐ。※うつぶせになって2〜3分は痛みが強くなるが、そのままでいると痛みがやわらいでくるのであれば、答えは「はい」になります。 | ||
ここ数ヵ月あるいは数年の間に何回も腰痛になっている。 | ||
再発を繰り返している場合、腰痛のない期間はどんな動きをしても痛みがなかった。 | ||
再発を繰り返している場合、腰痛のない期間は普段の生活で痛みは出なかった。 | ||
お尻や太もも、ふくらはぎに痛みがある場合、腰の痛みは常にあっても、お尻や太もも、ふくらはぎに痛みをまったく感じない時間がある。 |
「はい」が5個以上:症状改善が期待できるタイプの腰痛
「はい」が4個以下:専門家による治療が必要。一度医療機関で診察を受けるのがよいと思われます2)。
習田先生コメント
私からも、注意事項をお伝えします。
- ・病気持ちの人、既往歴のある人は医師に相談のうえ、実施しましょう(例:骨粗鬆症の人は骨がもろいため、エクササイズだけで骨に悪影響が出てしまうこともある)。
- ・腰痛の人は、膝や股関節が硬い方も多いため、前屈や腰を反らす際に必要以上に腰に負荷がかかってしまう可能性があります。エクササイズに不安がある人は医師に相談しましょう。
エクササイズの前に覚えておきましょう!1,2)
これから紹介するエクササイズ(マッケンジー法)を正しく行うと、痛みが中央に移動していく、とされています。
痛みがどのように変化するか、ストレッチ後に確認してみましょう!
習田先生コメント
早ければ2週間ほどで効果が現れる腰痛患者さんはいますが、個人差があります。
また、効果が出ると「良くなったから」と止めてしまう人もいますが、腰痛がぶり返すこともあるため、とてももったいない! と感じます。
まず1ヵ月を目標にエクササイズをして、習慣化してみてはいかがでしょうか。習慣化することで今ある痛みが軽くなることに加え、腰痛の予防、健康維持が期待できます。
なお、エクササイズの効果が現れないときは、運動だけでは取れない痛みの可能性もあります。医師に相談することをお勧めします。
ポイント
- 今回紹介するエクササイズは、背筋を鍛えるのではなく、腰(脊椎の関節や周囲の組織)の状態を良くすることを目的にしています2)。
- 症状をよく観察しましょう!正しいパターンでエクササイズできている場合2)
-痛みが中央に移動します(上のイラスト参照)。
-痛みが徐々に軽くなります。
-腰の動く範囲が増えます。
それでは
エクササイズをはじめてみましょう!
1)ROBIN McKENZIE著. 仲井光二訳. マッケンジー エクササイズ 腰椎-構造的診断と治療法-. 1997, 東京, 科学新聞社. pp.15-18, 34-39.
2)ロビン・マッケンジー著. 銅治英雄, 岩貞吉寛訳. 自分で治せる!腰痛改善マニュアル. 2009, 東京, 実業之日本社. pp.34, 62-70.