「前屈腰痛」に対する
エクササイズ1,2)

「前屈腰痛」に対するエクササイズ1,2)

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レッツ・エクササイズ!

習田先生コメント

エクササイズしたときに、腰部や下肢に経験したことのない痛みやしびれなどが瞬間的に起こった場合はすぐに中止し、医師に相談しましょう。
ただし、エクササイズから数日後の筋肉痛であれば、エクササイズを継続しましょう。

立って反るだけ1-3)

  1. 立って、両手を腰に据えます。
  2. 両手で腰を支え、ひざを曲げないようにしながら上体を後ろに反らします。
    2~3秒、反らした姿勢をキープします。
  3. 繰り返すごとに少しずつ伸展を増やし、10回繰り返します。最終的には、できる限り反らすようにします。

習田先生コメント

エクササイズのポイントは、徐々に負荷のレベルを上げていくことです。
反らす動作でも、回数を重ねるにつれ伸展を増やしていきます。

うつぶせ+α1-3)

  1. うつぶせになり、両手は伸ばして体の脇におき、顔は横に向けます(顔は左右どちらを向いてもかまいません)。
  2. 深呼吸をして完全に力を抜きます(腰、お尻からふくらはぎまで)。
    2~3分間この姿勢のままでいます。ここまでを1セットとして、1日に6~8セット行うことを目標にしましょう。

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できるならチャレンジ!

+α

両肘が肩の下に来るようにして、前腕で上半身を支える姿勢をとります。深呼吸してリラックスし、
2~3分間この姿勢のままでいたのち、①に戻ります。

うつぶせから腕の力で体を伸ばす1-3)

うつぶせの姿勢をとります。

両手を肩の下に置きます。手は腕立て伏せをするときの位置にします。
両肘を伸ばしながら上半身を持ち上げていきます。痛みに耐えられるところまで上げましょう(③の姿勢)。
このとき、骨盤とお尻、両脚は完全にリラックスさせます。重力にまかせて垂れ下がり、腰がたわんでいる状態です。呼吸は止めずに普通に続けます。この姿勢を1〜2秒維持してから、②の姿勢に戻ります。

①から②の動きをリズム良く繰り返し、繰り返すごとに上半身をさらに上に持ち上げていきます。
最終的には両腕が完全に伸びて、腰がいっぱいまで伸展するようにします。

両腕がまっすぐに伸びたら、腰がたわんだ状態で1~2秒保持しますが、これがこのエクササイズのもっとも重要な部分です。
骨盤とお尻、下肢をリラックスさせて、息を大きく吐くと、より効果的な腰のたわみができます。このたわみで痛みの軽減や中央化があれば、この姿勢をもっと長く保ってもかまいません。

10回を1セットにして、朝起きてから就寝までの間に、間隔をあけて6~8セット行ってください。

習田先生コメント

いっぱいまで反らすことを心がけ、「もっと、もっと」と自分に言い聞かせながら、できる限り上半身を持ち上げましょう。エクササイズにより髄核ずいかくのずれを修正することで、腰痛改善が期待できます1)
強い痛みなどの症状がある人は医療機関に相談して行いましょう4)

(イメージ図)

1)ROBIN McKENZIE著. 仲井光二訳. マッケンジー エクササイズ 腰椎-構造的診断と治療法-. 1997, 東京, 科学新聞社. pp.15-18, 34-39, 55-63. 2)石橋俊郎監修. 腰の激痛が消える!革命的療法‼マッケンジー体操. 2010, 東京, 宝島社. pp.23-25. 3)ロビン・マッケンジー著. 銅治英雄, 岩貞吉寛訳. 自分で治せる!腰痛改善マニュアル. 2009, 東京, 実業之日本社. pp.72-76. 4)厚生労働省. 腰痛の人を対象にした運動プログラム. https://www.mhlw.go.jp/content/000656471.pdf [2023年10月24日アクセス]