脂肪萎縮症の治療 脂肪萎縮症の治療

監修:中尾一和先生
京都大学名誉教授
京都大学医学研究科 メディカルイノベーションセンター
  • 現在のところ、少なくなった、あるいはほとんどなくなってしまった脂肪組織を元に戻す治療法はありません。
  • 脂肪萎縮症により起こる糖尿病、高トリグリセリド(中性脂肪)血症、脂肪肝などの病気を改善させるための治療が中心となります。
  • 脂肪萎縮症においては、脂肪組織から分泌されるレプチンなどのアディポカインの減少と糖や脂質の代謝が悪くなることが知られています。
  • 近年、脂肪萎縮症のために脂肪組織からの分泌が減少したレプチンを補充する治療法の有効性が注目されてきました。減少したレプチンを、レプチンと同じ作⽤を持つ薬(レプチン製剤)で補充することによって、脂肪萎縮症における糖代謝と脂質代謝が改善されます。